月の華





子息が話してくれたおかげで組長もほぼ使い物にはならなくなった。








そして、私の仮説も合っていたということ。







パテルとマーテルを合わせた人が悪だと捉えたくない。






捉えたくなかった。

だけど、貴方も



「悪人ね…______」





私は口角を上げるとジョクラトルに子息を拘束させたまま組長の元へ連れていった。





組長のそばへ子息を蹴り飛ばし



「組長お疲れ様。地下金庫の在り処も教えていただいた。子息も口を割ってくれたわよ。もう用済みねご苦労さま。」







顔面蒼白の子息を何も見えないように抱きしめ真っ直ぐに覚悟を決めたように見つめてきた組長は父であり長の覚悟を決めたようだった。










「こいつもか。」





「そうね。多く語る必要はないわ楽になりなさい…」









私はそう言い残し静かに抜き出したリボルバーピストルを組長の眉間に撃ち込んだ。













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