月の華
「らーんー何かくれ」
「却下上に戻ってろ。葉月に持って行かせるから。」
「早くしてくれな。」
嵐は頷くと、それを確認した光斗は奥の扉を開け塔の螺旋階段を登った。
いつも笑顔の光斗も余裕が無いらしい。
ソファーに腰掛けると同時に葉月がジュースを持って来てくれた。
「ジョクラトル散々みたいね。だからってサボっちゃダメだからね。」
「あぁ。」
「ムーサは学校で虫湧かなかったのか?」
「えぇ。大丈夫よ」
「ムーサは凄く大人っぽいし頭イイし性格イイし。」
「そんなに良く無いわよ。まず、ココの仕事やってる時点でダメでしょ。」
「暴露てないならいいじゃない?」
「それもそうね。」
ムーサはジュースとドーナツをテーブルに置くと、「モルスが呼んでるから。」と言って降りて行った。
「私ねワザと銀狼に接近しようかなと思うの。」
「最後には裏切るのにな。涼大はいいターゲットになるな。」
「えぇ。悔いが残らないように殺れたらそれだけで十分なのよね。」
「ルナ…お前は恋愛しないのか?」
「アモー(愛)何て要らないわよ。私情が仕事の邪魔になるの。私はインペラートルみたいにあんなに愛せる自信がないわ。」