月の華
銀
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いつの間にか寝てしまって朝になっていた。
私はいつも通り髪を解いて着替えてと準備をしていた。
だけど足りない…
「ジェミニご飯出来てるわよ。」
「分かったわ。」
いつもパテルが朝は呼びに来てたから…物足りない感覚に襲われた。
スクバを持って下に降り、食卓についた。
また無言で食べて行く。
「ご馳走様。じゃあ行ってくるわね。」
食器を持って行ってそのまま玄関に向かった。
「パテルはあっちのイタリアの病院へ通っていたわ。だけど手術の成功率が低くて受けなかったの。」
全てはメトゥスの為に
とマーテルは付け加えた。
私は唇を噛み締めながら
「そっか…行って来ます。」
振り返らず家を出た。
マーテルはメトゥスの為に生きているコトに文句を言わないなんで?
愛してる人が自分の為に生きてなかったら辛くないの?
いや…もう考えるだけ無駄かもしれない。
いつもより重い足取りで歩いて行った。