神様のイタズラ
「私2つ上の兄がいるのね。兄はとっても頭が良くて何をやっても勝てなかったの。」
ここまで聞いて正直“やってしまった!”と思った。
この先を聞いても確実につまらない自信が何故かあった。
そんなあたしの心境も皆無、彼女は淡々と話を続ける。
「唯一勝てたものが国語の成績でね。あっ!これを仕事にしようと思ったの。絵留ちゃんもさっき言ってたけれど玉の輿に乗りたい!とか言う女の子に私はいつも言うんだけど、お金持ちと結婚したいなら沢山勉強していい大学に入っていい企業に就職するか、整形してすごく美人になるかよ。って」
あたしは鼻でフッと笑った。
さっきの取材の答えがきっと腑に落ちなかったのだ。
確かにあたしの“お金持ちが好き”発言は
とても軽々しく聞こえて
不快に思う人が居るのもわかっている。
でもその真相は自分だけしっかり理解していればいいと思っていた。
その時も
そして神様のイタズラを受けた今も。