不器用な彼と
隣人さんは不登校君
ぴと。
肩に何かがひっついた。
…桜。
今年のこの街は、遅咲き。
今が満開だ。
地元高校までの通学路。
いちばん好きなこの並木通りは、季節によって色々な表情を見せてくれるんだ。
ー…なーんて、現実逃避しても現実は変わらない。
新調した合皮の鞄から、ファイルを取り出す。
それは、今日の始業式が終わって帰ろうとした、さっきー…ほんの、5分前くらい。
○*
担任「おい、齋藤!」
「…なんですか?」
担任「お前、休んでる佐藤と家隣なんじゃねえか!プリント頼むよ!」
*○
まさか、お隣の佐藤さんの引きこもり息子だとはね…
「はぁ…」
新学期早々、ついてなさそうです…。