不器用な彼と
勇気Side



学校へと、遅刻だけれど足を運ぶ。

しっかり入れられたコンタクト。

教科書とお弁当。

口の中で、亜紀という文字を転がして、視線の海に耐えるのみだ。


保健室はスルー。


昨日はオレンジに染まり、亜紀しかいなかった教室も、授業で静まり返ってはいるものの中でたくさんの人がきっと動いている。


大丈夫だ。大丈夫だ。
俺には君がいる。
健人くんがいる。
玉ちゃんがいる。


思いっきり、ドアを引いた。
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