不器用な彼と
亜紀Side


あれから3ヶ月。



いつか2人で作ったしおり。



私たちは長野へと向かう。



え?バスの隣?




相変わらず保健室通いが多くて、


まだまだひょろひょろで、


口が悪くて。


そんな委員長が、隣で眠っている。


…季節は夏。


しつこいけど爽やかな太陽が、


私の肩に乗った顔の、閉じた瞼を照らしている。


勇気が好きで、好きで、胸が苦しい。



いつか涙を流したその目が、


幸福に満ちてからそっと開くのを、


私はまた「隣で」見られるといいな。

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