不器用な彼と
勇気Side

あぁ、やっぱり怖い。


両側に男子。
番号の都合で、前に俺のことをいじめていた男子の隣だし…。


怖いなぁ…。


亜紀の方をチラッと見ても、亜紀にだって女の子の友達はいるから、その子たちと笑顔で話しながら食べてる。


何かというと、今は夕飯中。


男子1「委員長、もう食べていいんだよ」


突然、委員長、なんて言われて誰かと思えば自分だった。


男子2「佐藤?お前食べねえの?」


「だ、大丈夫」


俺が箸を手に取ればみんなホッとしてそれぞれの友達と会話を続け出す。


こんな迷惑かけて、何が委員長なんだ。


いつかそう言われてしまいそうで、怖いけれど。





部屋へ戻って、保健室へいつでも行けるように用意をしてから亜紀とのLINEを起動する。


亜紀:今思ったんだけどさ

亜紀:いつもより

亜紀:離れてるね(笑)


いつもの部屋と部屋の直線距離は5mほど。


…亜紀が遠い。


いつも手を伸ばせば届いてた亜紀が。


と、部屋に来ていたうるさい系の男子が隣に座って来た。…たしか、こし、すし、きし…岸公太。
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