不器用な彼と

勇気Side

また、やってしまった。


でも、女子なんてー…特に同年代の。


…無理に決まってるじゃん…。


触れられた腕が、ビリビリと痛い。


きっとそれは精神的なものなんだろうから、痛くない痛くない、と自分に言い聞かせる。


と、突然、ドアが開いた。


健「やーっぴーー☆ケンティーだよ☆」


うわぁぁぁぁ!!!!!!!


「何その顔。化け物見たみたいな」


「だってそんなもんじゃん。妖怪ケンティー」


「やだなぁ、恋の精霊とか愛の妖精と言っておくれよ♡」


田島健人。通称健人くん。自称愛の妖精ケンティー。


近くの大学に通う変人で、


俺の遠い親戚だ。


学校へ行かない俺の家庭教師で、


お兄ちゃん的存在でもある。
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