契りのかたに君を想ふ






近藤「御用改めである!主人はおるか!」



永倉「派手な登場だな」



沖田「近藤さんらしいですね」





主人「し、新撰組です!!!」



ザシュッーーーー…。



二階へ新撰組の御用改めを告げに行った池田屋主人を容赦なく斬りつけるのは新撰組局長、近藤勇。



主人を見てみると既に事切れていた。



絵美「…っ……」



初めて、人の命が終わる瞬間を見た。



血の匂いで気持ちが悪い。




倒れそうになるのを必死に堪えて次々と刀を振り回しながら階段を降りてくる長州の奴等を柔術で倒していく。



こんなところで足を引っ張っちゃいけない。




周りを見ると一階には近藤さんと土方さんと新八が、庭には平助と左之助が、二階に総司がいる。


私も二階に上がろう。



そう言えば総司は吉田稔麿と対峙して…








早く行かないと!



古高はここに来てるの!?



さっきから全く姿を見てないけど。



まさか斬られてないよね!?



取り敢えず二階に上がろう。




急いで二階に駆け上がると総司が吉田と古高の2人と対峙していた。




絵美「ちょっと古高!!あんた何してんの!!」


古高「見てわからないんですか!?」



絵美「あんた私が何のために!!!!あ…」




総司がいるのに私…!



沖田「絵美、聞かなかったことにしてあげるからこっちを手伝ってくれる?」



え、笑顔が黒い!!!!



絵美「は、はい」



私は古高と対峙した。



絵美「何してんのよ!早く吉田を引きずってここから出なさい!!」



古高「何で小声なんですか?」



絵美「総司にバレたらまずいからでしょ!」




古高「僕は吉田さんに逃げるよう促しました!でも彼は全く聞く耳を持ってくれなかったんです!!!」




ガスッ




絵美「声がでかい!!!!」



古高「い"っ……!」




私は古高の脛を思いっきり蹴った。






私は痛さに顔を歪める古高の胸倉を掴むと声を低くして耳元で言った。




絵美「さっさと吉田を引きずってここから出ろ。もしも2人とも殺されでもしたら私があの世に逝った時にお前の事を切り刻んでやるからな」



古高「わ、分かりました…!」




古高は急いで吉田の元へ向かっていった。



私は後ろを振り返ると総司の背後に迫る長州の輩が目に入った。




絵美「総司!後ろ!!!!」






ザシュッーーーーー。




総司は素早く長州藩士を斬り捨てた。





………………………が、






吉田「余所見をしている場合か!!!」




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