契りのかたに君を想ふ





絵美「総司ぃぃぃぃぃい!!!!!!」




沖田は背中を斬られ、地に倒れた。




絵美「吉田……よくも総司を…っ…!!!!」




吉田「俺を斬りたいか?」



そうニヤリと汚らしい笑みを浮かべる吉田。



私は素早く吉田の背後に回り込み首筋を強く叩いて彼を気絶させた。



絵美「古高、早くコイツを連れて行って。死なないでよ」



古高「はい。貴方もどうかご無事で」




それだけ言うと古高は吉田を担いで夜の闇へと姿を消した。





絵美「総司!」


私は総司を起こし、呼吸を確認すると安堵のため息を吐いた。



絵美「良かった…」



彼は不幸中の幸いと言うべきか、ただ気絶をしているだけだった。



しかしこのまま血を流し過ぎても命が危ない。




私は袴の裾を破き、応急処置を施した。




窓から外の様子を見ると土方さんが手柄を横取りしようとしている会津兵を一歩も池田屋へ入れまいと刻苦していた。




絵美「!他のみんなは大丈夫かしら!!」



私は総司を担いで一階へ降りると斬り合いは終盤に差し掛かっていた。



近藤「絵美!総司はどうしたんだ!?」




絵美「背中を深く斬られていますが命に別状はありません。でもこのままでは危険です。早く治療をしないと…」




近藤「よし、総司の為にも早く終わらせねば!」



私は怪我人が並んでいるところに総司を寝かせ、私も斬り合いに参加した。




次々と襲ってくる長州の輩を柔術で沈め、縄にかける。



そしてふと視線を庭へ移すと平助を後ろから斬りつけようと男が迫っていた。




平助は気づいていない。




私は平助を斬りつけようとしていた男に向かって苦無を投げた。



男の顔を見ると体が凍りついた。




絵美「お前は……宮部鼎蔵……」




宮部「お前らが…どう足掻こうと……時代は変わる…」



宮部はそれだけ言うと息絶えた。




絵美「ごめんなさい…」



私は動かなくなった宮部にそれだけ言うとまた人を斬り始めた。







それは血の匂いに狂ったかのようにーーーー。






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