契りのかたに君を想ふ
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絵美「暇だなぁ〜」
休暇を頂いて3日が過ぎた。
幹部のみんなは巡察やら稽古やらで忙しく、総司はまだ背中の傷が塞がっていないので絶対安静。
絵美「もう。大体2週間も何してろって言うのよ!!暇で暇で暇で暇で死にそうだわ!!」
斎藤「何一人で騒いでいる」
絵美「一!巡察お疲れ様!」
斎藤「あぁ。これ、お前に買ってきた」
斎藤に渡されたものは桜色をした紅だった。
絵美「可愛い!ありがとう!」
斎藤「お前に似合うと思ってな」
絵美「ふふふ。一は優しいね」
ニコッと斎藤に向かって微笑むとフイッと顔をそらされてしまった。
斎藤「俺は副長に巡察の報告に行ってくる」
絵美「行ってらっしゃい」
斎藤の耳は仄かに赤くなっていたが絵美は気づかないふりをした。
絵美「暇だし、お茶淹れようかな」
私は4人分のお茶を淹れると近藤、山南の部屋へ届けに行き、最後に土方の部屋へ向かった。
スパンッ
絵美「土方さ〜ん!」
ポイッ
絵美「いって」
土方「馬鹿野郎!墨が垂れただろう!!」
土方の投げたくしゃくしゃに丸められた半紙は見事、私の額にクリーンヒットした。
絵美「ごめん、ごめん」
適当に謝り持って来たお茶菓子と少しぬるくなったお茶の入った湯呑みを2つ並べた。
土方「おい、何を始めようとしてる」
絵美「え?お茶会」
ガコンッ
絵美「いったい!!!」
土方「何で俺の部屋でお茶会始めんだよ!!」
絵美「いや〜、土方さん最近随分とお疲れみたいだし私も暇で暇で仕方ないからここでお茶会したら2人とも楽しめるじゃん?一石二鳥よ!」
土方「意味わかんねー」
絵美「まあ良いさ。さあ、お座り」
土方「俺の部屋だけどな」
文句を言いつつも一緒にお茶会を始める土方。