契りのかたに君を想ふ





吉田「殺し、殺される、それがこの時代のやり方なんだ。未来から来た絵美に俺達の気持ちは分からない。ましてや女なんかにはな」



バチンッ




絵美「ふざけんな!!女だからって見縊ってんじゃねえよ!!大体てめえら雑魚みてえな考えの奴らがいるからどの時代になっても平和は訪れねえんだよ!!それに私だって長州の奴等をたくさん殺してる。だからてめらの気持ちも分かんだよ!!!」




私の口はもう止まることを知らなかった。




女だから、と言われた事が何よりも腹正しかったのだ。




絵美「大体、何で私ら女は男の三歩後ろ歩かなきゃいけねえんだよ。てめら男が女の三歩後ろ歩け!!女がいなきゃてめら男はいねえんだぞ。みんな女から生まれんだ。女を大切にしやがれ!!!女だからとか言ってんじゃねえよ!!!!」




高杉・桂「帰ったぞ〜」



私が怒り狂っていたその時、能天気な声と共に現れたのは桂と高杉。



2人は部屋を見ると驚いているのか硬直していた。




桂「一体何が…」




部屋の中はぐちゃぐちゃ。



顔を真っ赤にして怒鳴る私と稔麿。



そして稔麿に壁に押さえつけられている私。




高杉「お前ら何してんだよ!」




絵美「別に。もう寝る」




私は稔麿を突き飛ばすと布団を敷き始めた。




高杉「寝るってお前…まだ昼だぞ」




稔麿は稔麿で外へ出かける支度をしている。





桂「稔麿、どこへ行くんだ」




吉田「散歩」




取り残された2人は状況を把握出来ないまま部屋の片付けをした。




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