契りのかたに君を想ふ
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高杉「俺たちは絶対に幕府を許さねえ」
彼等の話を実は知っていた。
歴史の授業で習っていたからだ。
確かに井伊大老のやった事は許されない事だと思う。
でも、もう井伊大老は既にこの世にいない。
なのに何故そこまで幕府を恨むの?
私にはそれが理解できない。
もう良いじゃない。
幕府全体が悪いわけじゃないんだから。
絵美「それは幕府が悪いわけじゃないじゃない。全て井伊大老の独断で進められた事であって幕府全体に非があるわけじゃないじゃない」
高杉「でも大老のやったことは将軍の責任じゃねえのか?」
絵美「……確かにそうだけど…もう良いじゃない。幕府も勤皇も同じだけの事をやって来たんだから。全く…みんな石頭過ぎて疲れる」
ガコンッ
絵美「い"っ!!」
高杉「お前も石頭だn…ゴフッ」
ふんっと鼻で笑う晋作には回し蹴りをお見舞いしてやった
高杉「んの野郎っ!何しやがるっっっっ!!!」
絵美「女子に手を挙げるだなんて信じられない!!!!」
高杉「お前のどこが女子だ!!!女子は回し蹴りなんざしねえ!!!!」
絵美「うっさい!!新選組も長州も一体どうやったら…ブツブツブツブツ」
高杉「お前、頭悪いんだからあんま考えんなよ?」
晋作の小言も耳に入らないくらい考え込んでいたが、結局何も思いつかなかった。
やっぱり晋作や稔麿と穏やかに話し合いなんて出来ないのね。
小五郎に頼むしかないかなー。
そんな事を考えていると稔麿が帰宅した。
吉田「絵美、さっきは怒鳴って悪かった」
絵美「ううん、私も少し言い過ぎた。でも…長州のみんなと新撰組に仲間になってもらいたい気持ちは変わらない。だからこれからはゆっくりとみんなを説得していくね」
私がそう言うと稔麿は困った顔をしながらも頷いてくれた。