契りのかたに君を想ふ
…………………………
絵美「ここ、どこ?」
その頃、絵美は異空間を彷徨っていた。
「ここは時空の境よ」
絵美「誰!?」
時神「私は時を操る神、時神よ」
絵美「それじゃあ…あなたが私を幕末へ連れて来たの……?」
そう聞くと時神は妖艶に笑うと首を縦に振った。
時神「あなたをここで死なせてしまうのはもったいないと思ったの」
絵美「そう。じゃあ私はいずれ未来に帰るの?」
そう聞くと時神は、それを説明しようとしたのよ。
と、小さく笑った。
時神「まずはこれを見て」
彼女がそう言うと異空間から現代へと移動した。
母『絵美っ!!!お願い!!目を覚まして!!何でこんなことに…』
父『何で…何で…絵美が……』
霊安室で私の遺体を見て取り乱すお母さんと、私が死んだことを理解できていないお父さん。
絵美「お母さん…お父さん……ごめんね……」
そして場面は変わって学校。
里美『まさか…本当に死ぬなんて……』
楓『どうしよう…大変な事…しちゃった……』
絵里加『私が…私がいけないんだ。私が絵美を殺したんだ。ごめん…ごめん絵美…ごめんなさい…っ……』
その後、絵里加、楓、里美、真央、遥、穂花は退学処分となった。
絵里加達のことはやっぱりまだ許せない。
でも、許せるように努力をしていこうと思う。
仮にも親友"だった"しね。
それが、どこまでもお人好しな絵美の本心だった。
次はお葬式が終わって数日後の父母の場面。
母は仏壇の前に座り込むと、突然涙を流し始めた。
母『いくら…っ、仕事が忙しいとはいえ…もう少し…絵美との時間を作ればよかった…っ…!こんなことになるなんて…っ…。ごめんね、絵美…』
絵美「お母…さん……」
ソファーで新聞を読んでいたお父さんは立ち上がるとお母さんの肩をそっと抱きしめた。
父『由美、辛いのも分かるが…いつまても泣いていたら絵美は余計に悲しむぞ?』
母『私…母親失格よ。娘のことよりも仕事を優先して、一番絵美が辛い時に側にいてあげられなかった。絵美が苦しんでいたのに…気付けなかった…っ…!最低よ…っ……』
父『……そんなことない!お前は絵美に苦労をさせたくない一心で寝る間も惜しんで働いていたんだろう?!』
母『ふっ…うぅ……うわぁぁぁぁあぁあ…!』
絵美「ごめ…っ…、ごめんね…っ…」
涙でお母さんとお父さんの姿が見えなくなる。