契りのかたに君を想ふ
〜in新撰組〜
スパーーーーーーンッ!!!
沖田「土方さん、巡察終わりました。特に異常はありません」
土方「そうか。ご苦労だった」
沖田「では失礼します」
絵美がいなくなってから、彼等の士気も大分下がっていた。
普段なら沖田が声をかけずに勢いよく襖を開けると土方は怒鳴り、それを弄る沖田だがどちらも絵美がいなくなった今そんなことはしない。
***
永倉「左之っ!平助っ!島原行こうぜ!!」
藤堂「新八さん、こんな時によくそんなこと言えるよね」
永倉に憐れみの視線を送る藤堂。
永倉「こんな時だからこそだろ!絵美がいない寂しさから逃げんだよ!」
藤堂「俺は行かない。左之さんでも連れてけば」
永倉「ったく。これだからお子ちゃまは!しょうがねえから左之、二人で行くぞーー!!…あ?左之?」
原田「…………あ?なんか言ったか?」
永倉「こりゃダメだ…」
永倉は米神を抑え溜息を吐くと、一人で行ってくる。
とだけ言い、部屋を出て行った。
***
「……ぅ……ょ……さ……と……斎藤組長!」
斎藤「…っ!すまん。またやってしまったか」
隊士「いえ。斎藤組長がお疲れなのは俺たちも分かってますんで!」
斎藤「これから気をつける」
絵美の行方が分からなくなってから俺は時々こうして意識が散漫していることがある。
最近では隊務にも支障が出ている。
このままでは絵美に笑われてしまうな。
気を引き締めなくては。
あいつが戻って来た時に胸を張って伝えなくてはならない。
━━━━━━おかえり、と。