契りのかたに君を想ふ






絵美「それで、私が長州から桂さんの無理を押し切って帰ってきたのは理由があるの」




穏やかな空気からガラリと変わり絵美は本来の目的を話し始めた。





絵美「今ここには新撰組を破滅に追いやる最大の敵がいるはずです」





土方「それは尊皇側の人間ってことか?」




山南「間者がいるということですね」




唐突に話し始めたにも関わらず話に着いてくる土方と山南はやはり新撰組の頭脳というべきなのか。




でも答えはハズレだ。




絵美「参謀の伊東甲子太郎という男がいますよね?彼はそのうち平助を始めとする隊士たちを数名連れて新撰組を離隊し御陵衛士という組織を作ります。その際に一が間者として御陵衛士に入隊します。そして新撰組局長の暗殺を企らんだ伊藤は新撰組により御陵衛士諸共粛清されます」




一気に話したせいか、幹部のみんなは話についてこれていない様子だ。




藤堂「俺のせいで…近藤さん達が築き上げてきた新撰組が……」




永倉「お前のせいじゃねえ。悪いのは全部伊東さ」




土方「あんの野郎。初めから何か怪しいとは思ってたんだ」





絵美「それから、一番最初に彼の餌食になるのは…
























































山南さんです」





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