契りのかたに君を想ふ
平然と言う沖田に沸々と怒りが湧く。
原田「知ってたなら何でもっと早く言わねえんだよ!!!」
気付いたら総司の胸倉を掴んでいた。
しかし沖田はそんなことをされても顔色一つ変えない。
沖田「だって、みんなに言ったら絵美を引き止めるじゃないですか」
原田「当たり前だろ!!逆にお前は何で引き止めねえんだよ!!!」
俺がそう言うと沖田は何を言っているんだ、というような顔をして俺の胸倉を掴んできた。
沖田「何で分かんないんだよ!!!それが絵美の志を曲げてることにっっっ!!!!!」
原田「!!!!」
そうだ…
絵美の志を曲げさせるところだった。
俺は総司の胸ぐらをそっと離した。
原田「…悪かった」
それだけ言うと俺は広間から出て行った。
情けねえ。
自分の事ばかり考えて絵美の気持ちなんて全く考えていなかった。
最低だ。
新撰組は再び訪れた1人の少女の不在により士気が今までにないくらい下がっていた。