契りのかたに君を想ふ






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絵美「1年ぶりの京都だ」




彼女がこの幕末に渡ってから既に3年が経っていた。




年も明けた為、20歳となった絵美。




京に来た頃に比べると子供らしさなど一切なく、正に大人の女性と言うべき容姿であった。





……………………………………





スパンッ




絵美「失礼します。胡桃沢絵美です」




近藤「絵美!!!!!戻ったか!!!!!」




絵美「まだやる事がたくさん残ってるので本日は近藤さんとお話をしたら二条城へ戻らなくてはなりません」




綺麗な言葉を使う絵美はもう子供ではないと改めて感じた近藤。




近藤「……………。お前が聞きたいことは分かってる。薩長盟約についでたろう?」



絵美「えぇ、もちろんです」





幕府や会津に忠義を尽くす新撰組なら薩摩との縁を切りかねない。



そうなってしまっては私の努力は水の泡だ。




絵美「近藤さん、薩摩と共にあるべきです」



近藤「しかし!我々は会津公のお力があったから今ここにあるんだ!!!そう簡単には…」




絵美「近藤さんが言いたいことは分かっています。しかし私はこの1年間、薩摩で軍事を学んでおりました。この期に新撰組が尊王攘夷となれば形は違えども貴方や土方が昔から望んでいた位につけます!」




頭の固い近藤さんだ。



そう簡単にはなびかないのは百も承知。




しかし私には近藤や土方に恩義がある。



必ず彼等を成功に導かねば。




絵美「良いですか、近藤さん。このまま幕府に着けば貴方達は幕臣になれます。しかし15代将軍、徳川慶喜が幕臣となったおよそ4ヶ月後に政権を天皇に返上します。後に幕軍は賊軍となる。でもこの期に薩長に着けば?新撰組は永久に政、戦に参加できるよう私が取り合います」




近藤「.………………………。」




絵美「最後に、幕府に着いた暁には新撰組は破壊されます。生き残る者は極僅か。私は近藤さん達に成功して欲しいんです。何が最善なのか、よく判断をしてください」





近藤は放心状態だ。



それもそうだろう。



今までずっと忠義を尽くしてきた幕府に見切りをつけなければならないのだから。




絵美「近藤さん、次の将軍は必ず私たちの見方になりますからそこは安心してください。では私はそろそろ」




近藤「………………………あ…あぁ。分かった。気をつけろよ」





絵美「はい、失礼します」




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