契りのかたに君を想ふ
「近藤さーん、入るぜ」
スッ
私が近藤の部屋を出ようとした時、誰かが襖を開けた。
「………………っ、絵美…か?」
優しい声、笑うと垂れ下がる目、大きな体、何も変わってない。
そう、
絵美「……さ…、の……?」
10番組組長、原田左之助だった。
原田「お前、いつ戻って来たんだ!!!」
絵美「戻ったわけではないんです。まだ仕事が残ってますので…では、失礼します」
この場をいち早く逃げたかったが目の前には巨体が佇んでいる。
そう簡単に逃げられるわけでもなく…
原田「待てよ、こっちは聞きてえ事が山程あんだよ」
腕を掴まれた。
絵美「今は何も話す事はありません。時々様子を見に新撰組には顔を出すので取り敢えず今は帰してください」
原田「ふざけんなよ!お前は新撰組の監察方が仕事じゃねえのかよ!!!」
絵美「ねえ、優先順位があるの。子供みたいな事はやめて」
急に口調が強くなった絵美に思わず驚いて絵美の手を離してしまった。
その隙に絵美は一瞬で消えた。
原田「っ!ちきちょう!!!!近藤さんも何で絵美を止めねえんだの!!!」
近藤「あいつは俺たちの為に働いてくれているんだ。寂しい気持ちは痛い程分かる。だが今は時を待とう。左之助、幹部を至急俺の部屋に集めてくれ」
原田「………分った」