契りのかたに君を想ふ
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「もう済んだのか?」
絵美「はい。ここまでありがとうございました。ここからは1人で大丈夫ですので大久保さんはお仕事へ行ってください」
大久保「辱い」
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スゥーーーーーーー
絵美「はーーーーーーーるーーーーー!!!」
春「何なの騒々しわね。あら、絵美じゃない!お帰りなさい!!」
絵美「ただいま。慶喜のところへ通してくれる?」
春「はいよ」
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春「慶喜様、絵美様がお帰りになりました」
慶喜「通せ」
春「失礼します」
およそ1年ぶりの再会。
さて、ここから新たな歴史の幕開けだ。
絵美「慶喜、もう間もなく将軍家茂公は亡くなられる。その後の事を考えましょう」
慶喜「………ふっ。そうくると思っていたさ。薩長盟約だってどうせお前も協力したのだろう?」
絵美「もちろん」
気味が悪い程穏やかだな。
絵美「半年後、家茂公はご病気の為亡くなられる。そして更に5ヶ月後、15代将軍として慶喜が就く。その際に貴方は政権を天皇に返して」
慶喜「馬鹿な。250年続いた幕府を俺が終わらせるわけにはいかない」
絵美「政権を返しても貴方は政を行う際には上層部に就けるからそこは安心して。天皇の次、もしくは次の次くらいの地位にするから」
慶喜「ならぬ。俺は政権を返さない」
まぁ、そんな簡単に慶喜が折れるだなんて初めから思ってはいなかったけど……
やっぱ頭硬えな。
なんなんだよ。
慶喜と言い、近藤さんと言い、西郷さんと言い……みんな頭固すぎだ。
絵美「ねえ、あまり古い考えに囚われるの辞めよう?開国して、西洋の良いところを取り入れて日本の良き文化は残す。今貴方がやらなきゃいけない事はこれでしょう?」
慶喜「うるさい!!!俺は政権を返さない!!!分かったら自室へ戻れ!!!」
絵美「はいはいはいはい」
取り敢えず今日のところは引き下がった。