契りのかたに君を想ふ
第一章
いじめ
胸まで伸びる金髪を生温い風が揺らす夏の朝。
「……行って来ます…」
誰もいない家にそう言って家を出た。
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「うっわ、気持ち悪い。マジ学校来んなよ」
「目障りなんだよ。さっさと帰れよブス!!」
「金持ちだからって調子こいてんじゃねえよ!!!!」
ゴスッ バキッ
毎日殴られ、蹴られ、物を隠され、金を取られる。
(私が何をしたの……?なんで殴られなきゃいけないの……?)