契りのかたに君を想ふ
絵美「さぁ、始めましょう」
時神「……では、今から貴方には三つの質問をする。一つの失敗で代償は大きく変わるからよく考えるのよ。そして正直に答えて」
私は強く頷くと時神は少しの間を空けて一つ目の質問を口にした。
時神「貴方はこの三年でたくさんの者を殺した。本来生きるはずだった者も死ぬはずだった者も。貴方はその彼等をどう思う?」
私が殺してきた者達。
彼等は私の我儘のせいで死んだ。
私が新撰組を守りたかったから。
彼等を殺したことに最初こそは後悔したものの今はしていない。
後悔は死んだ者達への冒涜に過ぎないから。
私が彼等に思うもの……
一体なんだろうか…。
絵美「特に何も…」
時神「何も…思わない……?」
絵美「……うん、何も思わない。最初こそ後悔したけど後悔は死者への冒涜だと新撰組が教えてくれたので」
時神「……そう。じゃあ二つ目の質問。次は歴史を変えた事について今のあなたの気持ちを聞かせて」
絵美「……………最初は歴史を変えてはいけないと思ってたけど…新撰組や長州のみんなと仲良くなるにつれてこの人達を死なせたくないって思うようになった。
歴史を変えることができて良かった。変えたことに後悔は一切ない」
時神「数年でこうも人間は変われるものなのね…。それじゃあ最後の質問よ。あなたは幕末で何を見つけたの?」
私が見つけたもの。
現代では決して得ることのできたなかったものだ。
絵美「私は幕末で今まで信じることが出来なかった仲間、絆、そして感情を得られた。私は彼等のお陰で苦しいこともたくさんあったけど産まれて初めて幸せを感じられているの」