契りのかたに君を想ふ
絵美「お梅さん…、私は芹沢さんの小姓なんだよ?怒られちゃうよ…」
梅「どもへんよ。あのしとから許可は取りよったから!」
絵美「そうなの?それより…何で街に?」
梅「まぁまぁ、着いてからのお楽しみ!」
そして私が連れてこられたのは大きな呉服屋さん。
絵美「お梅さんの着物を買いに来たの?」
梅「ちゃうわよ!絵美のべべを買いに来やはったの!」
べ……べべ?
着物の事ですよね?
絵美「嫌、でも私お金持ってない…」
梅「お金なら芹沢はんからぎょうさん貰いよったから心配へんといて好きなだね選びやす!」
私の持っている着物は観察型から貰った物の一着だけ。
着物がないのは不便だし、折角だから買ってもらっちゃおうかな?
絵美「それじゃあ…お言葉に甘えて…」
それからは大変だった…。
初めは二、三着だけ買ってもらうつもりだったのだけどお梅さんはあれもこれもと選んでくれて結局買ったのは十着以上…。
ごめんなさい…、芹沢さん。
絵美「そろそろ帰りまs…」
梅「まさかイヌなんて言いまへんわよね?今日はまだまだこれからよ~!」
な、何!?
イヌ?
日本語で頼みます。
一人、一生懸命京弁を理解しようとしているとお梅さんに腕を引っ張られながら小間物屋さんや甘味処へ連れまわされ、屯所に帰ったのは日が沈んだ頃だった。