契りのかたに君を想ふ
斎藤が縁側を去ると入れ替わるようにして原田が隣に座った。
絵美「いよいよ…明日だね」
原田「あぁ。これが終わればお前のいた時代みたいに平和になれるんだよな?」
絵美「うーん…だいぶ近くなるけどまだ平和と呼ぶには無理があるかな」
でも2つに割れた国が1つになれば今の何十倍も国は良くなる。
原田「なぁ、戦が終わったら…祝言挙げようぜ」
そう言って原田は桔梗の花が描かれた櫛を渡した。
桔梗の花言葉は"永遠の愛"
絵美「やだ…嬉しい……」
そう言うとどっちだよ、と苦笑しながら私の頭を左之の肩に乗せてくれた。
絵美「じゃあなんとしてでも2人とも生き残らないとね」
原田「あぁ。幸せな家庭を作ろうな」
きっと、こう言うのを幸せって言うんだよね。
もう少し辛抱すれば原田になれる。
頑張ろう。
絶対生きて、ここに戻ってくる。
2人で縁側に並んでしばらく幸せを噛み締めていた。