契りのかたに君を想ふ
最後の戦
戦が始まった。
山崎若しくは島田からの伝達が来るまでは御所警護に当たっている。
最前線で戦う幹部たちが心配でたまらない。
さっきから無駄にソワソワと御所周辺を歩き回っている。
「あの女子は本当に忍術の心得があるのか?」
「にしては随分落ち着きがないな」
絵美「うるさいわね!!!無駄口を叩いてる暇なんてないはずよ!!!集中なさい!!!!」
そしてイライラもピークを達していた。
天皇「絵美、少し落ち着いたらどうだ」
絵美「ぎゃっ!寿命が3年は縮みましたよ。て言うか何で外に出てるんですか!!」
どこから湧いて来たのか私の背後に取り憑いていた天皇陛下様。
天皇「お前の落ち着きがないからだ。お前も中に入れ」
手首を掴まれグイグイと中に引きずられる。
絵美「待ってください!私は監察方です。新撰組からの伝達を待たなくてはなりません。持ち場に戻らせてください!!」
天皇「相変わらずお前は儂の言うことは聞かないのだな。お前の好きにするが良い」
ムスッとしながらも私の自由にさせてくれる天皇は優しい。
これがもしも慶喜なら無理矢理にでも中に押し込まれていただろう。
持ち場に戻り御所警備及び伝達を待っていた。
そして日が沈み始めた頃、土方が迎えに来た。
土方「今日のところは一時撤退だ」
絵美「そう。死傷者はどのくらい?」
土方「正確な数は分からねえが3桁行くか行かねえかくらいだ」
そんなに出たか。
予想よりは少ないがやはり仲間の死傷報告は痛ましい。
土方「お前も今日はちゃんと休め。他の連中によりゃお前休んでねえんだろ?」
絵美「私は何も出来てないからね。私の心配より土方さんは大丈夫なの?」
額を流れる汗を手ぬぐいで拭うと後ろから誰かに襟首を引っ張られた。
原田「ただいま」
絵美「左之!!お帰りなさい!!!」
ぎゅーっと抱き着くと今度は土方さんに襟首を引っ張られた。
土方「御所ではしたない事をするな!」
絵美「はしたないって何よ!抱擁と呼んで!!」
原田「もしかして土方さん妬いてんのか?俺に絵美を取らr....」
ガゴンッ ガゴンッ
土方「下らねえ!!」
土方さんは私と左之に拳骨を落とすと御所内へ入って行った。
絵美「何も私まで叩かなくたって!!」
「絵美ーーーーーっ!!!」