契りのかたに君を想ふ




1人むくれていると何かに抱きつかれた。




「ただいま!絵美!!」




絵美「平助ーーーー!!!」





私も抱きしめ返すと再び襟首を左之に引っ張られた。




今日はよく引っ張られる。




そしてその後もぞろぞろと帰還し、今日の戦の主要幹部は全員無事が確認された。




絵美「戦況は?」




高杉「こちらが優勢だが彼方側も随分と良い武器をどこからかかき集めて来たらしい。油断は出来ねえ」




なるほどね。



一体伊東は何を企んでいるのやら。



絵美「みんな、取り敢えず今日はもう休んで。休めるうちに休んでおかないと体壊れちゃうからね」




吉田「そう言えば慶喜公の姿を見てないな」




絵美「慶喜は帰って早々お風呂入るって行っちゃったよ。みんなも入って来たら?」




久坂「そうさせてもらう」




戦の後だから血、汗、埃でみんなベタベタだ。




絵美も返り血こそ受けていないが同様に埃と汗でベタベタ。




絵美「私も入りたいからみんなさっさと入っちゃって!」




永倉「絵美も一緒に入ればいいじゃねえか!」




ガゴンッ




永倉は原田に殴られそのまま風呂場へ引きずられて行った。




沖田「じゃあ僕たちも入って来ますね」



行ってらっしゃい、と全員見送ると絵美は山崎、島田と合流した。




絵美「なんか私だけ仲間外れ感」



山崎「遊びやないんやで」




そんなこと分かってる。



でもやっぱり仲間が命張って戦ってる中私1人で御所警備って……。




島田「今日はたまたまですよ。きっと明日から絵美さんも忙しくなります。それに死傷者も桁違いに出ることになりそうです」




島田の言っていたことは的中した。





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