契りのかたに君を想ふ
絵美「で?一橋慶喜はいつ来るの?」
ゴンッ ゴンッ
土方「慶喜公を呼び捨てにすんじゃねぇ!!」
山南「全く…。先が思いやられます」
絵美「いったぁ……。で?いつ来るの?」
土方「7日後だそうだ」
藤堂「そんな…早く……」
絵美「………………」
沖田「あれー?皆さんどうしたんですか、そんな暗い顔して」
土方「おう、総司か。巡察ご苦労だったな」
沖田「はい、それより何かあったんですか?」
永倉「近藤さんが……、絵美を一橋公に売ったんだよ」
沖田「………………へ?何の…冗談ですか?全然面白く無いですよ…」
土方「全部、本当だ」
沖田「そんな…」
山南「その件については絵美さん本人も受諾しています」
絵美「そーゆー事っ。じゃ、私は夕餉作りに行ってくるね」
私は出来るだけその場を早く離れたくて炊事場へ駆け込んだ。
絵美「……ふっ…うぅ………」
全部あんなの強がりだった。
いずれ行こうとは思ってたけどこんなに早くとは思ってもいなかった。
何よりも近藤さんに売られた事が最大のダメージだった。
………………………………………
沖田「どうしてこんな事に……」
土方「何でも、日本を統一するらしいぜ」
山南「あの子はまた大それた事を考えますよね……」
土方「俺もよ、最初近藤さんから聞いたときは何を考えてんだ!って思った。でも後になってアイツは行かないって言ってくれると思ったらそん時は冷静になれたんだ。だがアイツは見事に俺の期待を粉々に砕きやがった」
原田「まぁ、絵美の事だから速攻で帰ってくるだろ」
永倉「アイツ、以外と寂しがりやだからな!」
藤堂「案外、絵美よりも俺たちの方が寂しがりなのかもしれないな」
井上「そうかもしれないねえ」
全員「……………………」