契りのかたに君を想ふ





***




チュンチュン チュンチュン



スパーーーーーーンッ!




春「絵美、朝稽古の時間よ!」




絵美「ん〜〜〜、後一刻…」



春「阿保っ!さっさと支度しなさい!」



絵美「ふぎゃあ!!!」



……………………………………




絵美「何も布団をひっくり返さなくても…」



春「そうでもしないと起きないでしょう」



春の稽古は思っていたよりもキツかったがやはり芹沢や土方、沖田、永倉の稽古よりは怖くなかった。



しかし、何故か剣術の他にも柔術や乗馬の稽古、そして銃の稽古や忍びの稽古までもさせられた。




絵美「剣道だけじゃなかったのぉぉぉお!?」




春「誰が剣術だけって言った?ほら、ダラダラしないで素振りやる!!!」



絵美「はい!」




***





その頃、新撰組は…



沖田「土方さん!絵美さんはいつ帰ってくるんですが!」



土方「知るか!」



藤堂「すぐ帰るって言ったのにな…」



永倉「遅い、遅すぎる…」



原田「アイツは何遊んでるんだ!!」




斎藤「はぁ…」




土方「うるっせぇぇぇぇえ!!まだアイツが行ってから1日しか経ってねえだろう!!大体何で俺の部屋にいんだ!」




山崎「何や、偉く盛り上がってはるな?」



土方「お前まで来るか!!」



沖田「山崎さ〜ん!今すぐ絵美を連れ返して下さい!」



山崎「あのな、この間の芹沢はんの時とは違って今回はそう簡単に帰ってこられへんのや」




藤堂「そんなの分かってるけどよ…」



スパンッ



近藤「歳〜!絵美はいつ帰って来るんだ〜〜〜!?」




土方「何であんたまで来るんだよ!元はと言えばあんたが原因だろう!!つうかいい加減全員俺の部屋から出て行けーーーーー!!!!」




土方はそう言うと部屋の中にいた幹部等を全員外へ放り出した。




スパンッッッッ!!!




土方「寂しいのは俺だって同じさ…」




土方がそんな事を呟いていたことは誰も知らない。




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