契りのかたに君を想ふ
ーーーーーーーーーーーーーーー
「ヤァッ!!」
パァァァンッ
シュタタタタッ
パカラッパカラツ
剣術、銃術、忍術、乗馬の稽古を始めて早くも四月が経った。
「四月でここまで力が付くとは…」
「未来の人間は怪人並みの体力の持ち主なのでは?」
「免許皆伝も夢じゃないぞ!」
春「免許皆伝…ねぇ……」
***
絵美「ブーーーーーーーッッッ!!!」
雪「汚い」
絵美「だ、だって!免許皆伝って冗談てしょう!?」
春「冗談な訳ないじゃない。絵美には素質があるわ」
絵美「いやぁ…、私そう言うの緊張して無理なんだよねぇ……」
雪「緊張しなければ良いの?」
絵美「そうだねぇ〜。ま、無理だろうけど!」
私がそう言うと春が何か閃いたかのように声を挙げた。
春「じゃあ練習試合に出て見る?それで大丈夫だったら免許皆伝の試験も受けられるかもよ?」
絵美「う〜ん…、練習試合くらいなら良いかな……」
私のその言葉に春と雪が顔を見合わせてニヤリと怪しい笑みを浮かべていたなんて私は知らない。
………………………
数日後、春の計らいで他流試合に参加した絵美は全ての試合に勝ってしまった。
なんか、私よりも剣道歴長いですよオーラ放ってる人達に勝つなんて気が引ける。
春「絵美……」
絵美「あ、春!どうだった?私の試合!全部勝ったよ!!!」
春「えぇ、とても凄かったわ。実はこの試合…」
慶喜「いやぁ、絵美!甲源一刀流、免許皆伝おめでとう!お前ならやれると信じていたぞ!」
絵美「……え?」
私はバッッッッッと春の顔を見ると米神を抑えて溜息を吐いていた。
絵美「え、ちょ、よく分からないんだけど…」
春「ごめんね?今説明しようとしたんだけど…。実は絵美に出てもらった試合は甲源一刀流の試験だったの。絵美なら絶対大丈夫だと分かっていたからどうしてもこの試験に出させたくて……」
申し訳なさそうに謝る春。
絵美「いや、別に怒ってないけど……なんか信じられない。私が免許皆伝?」
春「そうよ。元々神道無念流だったから甲源一刀流に切り替えるのに時間がかかると思っていたのにあっという間に免許皆伝だもの!流石ね、絵美!凄いわ!」
絵美「凄い…んだ……私。全部春のお陰だね!ありがとう!!!」
段々と実感が湧いてきた私は嬉しさに思わず笑みが溢れた。