契りのかたに君を想ふ
………………………
土方「どうすんだよ」
山南「あれほど強ければ絵美さんの申し出を断る理由がありませんし…」
近藤「俺は…絵美を隊士にしても良いと思うがな」
土方「おいおい、近藤さん。真面目に言っているのか?」
近藤「あぁ。免許皆伝だぞ?それに彼女は新撰組の役に立ちたがっている」
土方「だが…アイツは目立つ。長州の奴等に気に入られたら終わりだぞ」
土方がそう言うと近藤は何か閃いたかのように目を大きく開けた。
近藤「ならば監察方なんかどうだろう?絵美は二条城で忍びの稽古もやらされていたようだし」
山南「…良いかもしれませんね。顔も隠れますし目立つことはないでしょう」
近藤「これなら良いだろう、歳」
土方「チッ…わあったよ。アイツには忍びになってもらう」
山南「そうと決まれば早速彼女を呼びましょう」
土方「山崎っ!」
シュタッ!!!!
土方「聞いてたな?」
山崎「絵美を連れて来るわ」
土方「頼んだぞ」
山崎「御意」
シュタッ!!!!
……………………
スパンッ
絵美「失礼します!」
土方「はぁ…、お前は相変わらずだな」
絵美「人間そう簡単に変わりませんよ」
土方「…フッ。そうだな」
ゴッホン
そう咳払いをして先を急ごうとするのは我らの局長、近藤勇。
近藤「絵美、お前の処遇が決まった」
緊張で背中を汗が伝うのがわかった。
近藤「お前にはこれから……
…………監察方になってもらう」
あぁー、監察…方……ね……
……ってえぇ!?
絵美「隊士じゃなくて!?」
土方「何だ?不満ならそのまま…」
絵美「やります!!やります!!やらせてください!!!」
山南「ではこれから絵美さんは山崎君に着いて忍びの稽古をしなさい」
絵美「分かりました!胡桃沢 絵美、精一杯頑張ります!!!」
そう言って彼等に敬礼をした。
彼等はきっと敬礼が何なのか分かっていないだろうが優しく微笑んでくれていた。