契りのかたに君を想ふ





スパンッ


「何やってんだよ…」



絵美「あ、土方さん。お仕事は?」



土方「休憩だ」



そう言って私の隣にドカッと座った。




絵美「休憩って…ここじゃなくても良いじゃない……」




土方「ここが良いんだよ」





土方は私の膝に頭を乗せて寝転んだ。





絵美「あ、コラ。何してるんですか!」



土方「うるせぇ、疲れてんだ。寝かせろ」



絵美「もう…」



おやすみ三秒の土方は既に寝息を立てている。




絵美「どうしたものかなあ〜」




私は頭をガシガシと掻きむしった。




これが人生に3度あると言われている1度目のモテ期なのか…?




この時代は皆んな1月1日に一つ歳をとるみたいだから私はもう18歳。




恋の一つや二つ、していてもいい筈…なのに!




絵美「はぁ…」




今日は溜息ばかりだ。




いじめられ始めたのも高校生になってから。




小・中学生のうちに初恋は済ませていても良いはず。




絵美「考えても分かんないや……」




無理に…答えを導き出す必要はないよね?



きっとそのうち自分で見つけるはず。



私が恋するのは新撰組なのか、それとも別の人なのか……。




それはまだ、誰にも分からない。




……彼女自身も………。






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