契りのかたに君を想ふ
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あれから何も分からないまま朝を迎えた絵美。
絵美「眠れなかった…」
山崎「うわ、酷い隈だな。何で眠れなかったのかは知らんが仕事はしっかりやってもらうで」
絵美「分かってる〜」
急いで全ての支度を終え、烝とみんなの集まる局長室へ向かった。
山崎「山崎や。絵美のしたくが終わったで」
近藤『入れ』
近藤さんの声が聞こえると烝は襖を開けた。
スパンッ
中には局長、副長、幹部、監察方が集まっていた。
これ程たくさんのお偉いさん達が集まるということは…やっぱり………
土方「おい絵美!ボーっとしてんじゃねえぞ。これから説明するからな」
絵美「あ、はい!」
近藤「まず監察方の胡桃沢君に五日間、桝谷右喜衛門と言う男の経営する炭薪商で密偵をして貰う」
武田「局長、何故五日と日数を限るのですか?やはり女子に任せているから…でしょうか?」
そう言ったのは5番組組長である武田観柳斎だ。
男色のくせにしゃしゃりやがって。
髪の毛剃り落としてやろうか。
近藤「いや、まぁそのだな…」
土方「胡桃沢なら5日で桝谷が黒か白かぐらい簡単に暴ける。それに、こちとら暇じゃねえからな。さっさと桝谷の件を片しちまいたいんだよ」
ゴホンと咳払いをすると近藤は続けた。
近藤「それで、だ。胡桃沢君の密偵が終わったら報告次第では桝谷を拷問にかける可能性がある。だから皆そのつもりでいてくれ」
全員「御意」
土方「胡桃沢、お前はそろそろ行け」
絵美「分かりました」
土方「念には念を入れて幹部で交代してお前を見てる。何かあった時の為にな。お前も何かあればそいつらに伝言なりしてくれ」
絵美「みんな忙しいからそんな事しなくても良いのに…」