契りのかたに君を想ふ
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絵美「すいません、道をお尋ねしたいのですが…」
桝谷「おや、お嬢さん。どちらからいらしたんですか?」
絵美「江戸ですぅ」
桝谷「江戸か。良いですね。僕は京から出たことがないんですよ」
行ってみたいな〜、なんて呑気に言う枡屋。
桝谷「どちらへ行かれるんですか?ここら辺の道なら教えられますよ」
絵美「道…と言うよりは宿を探しているのですが…」
桝谷は私を下から上までジックリと見ると口を開いた。
桝谷「お嬢さん、あまりお金なさそうだし…良かったらここに泊まりませんか?」
絵美「え、でもそんな…悪いです」
桝谷「何、ここで会ったのも何かの縁。どうぞゆっくりしていってください」
絵美「それなら…お言葉に甘えて…」
こんなにも上手くいくとは思わなかったぜ!!
案外楽勝か?
ふふふふふふ!
これで土方さん達に褒めてもらえる!
桝谷「ところでお嬢さん、お名前は?」
絵美「菊です」
桝谷「いい名前ですね。私の名前は桝谷右喜衛門です」
絵美「桝谷さん、数日お世話になります」
烝の探索によれば桝谷は長州の奴等と文のやり取りをしているらしい。
取り敢えず店の中を捜索しようかな。
絵美「桝谷さん、数日間何もせずにお世話になるわけにはいかないのでお手伝いさせて下さい」
桝谷「そうだな。こっちも人手が足りないからそうしてもらえると助かるよ」
そう言って桝谷は朗らかに笑った。
綺麗な顔…。
幕末の人たちってイケメンが多いいな。
新撰組の幹部は勿論、平隊士にも美形が揃ってる。
他にも慶喜、高杉、桝谷……。
桝谷「お菊さん、急な用事が出来たので半日程出かけますが店をお願いしても良いですか?」
絵美「はい!任せてください!」