ビジネスおネエの長谷川君
「えー……っと、聞こえ、ない?」


まさかの疑問形。


「……長谷川君、それ優しさじゃないよ?」


……ですよね。


「……んじゃ、食べる?」


言ってから、しまった!と思う。


確かに、手付かずのおにぎりはあと一つサランラップにくるまれて残っている。


でも、拭い去れない食べかけ感、というか……。


こんなのを気安く勧められる間柄では決してない俺達。


「え?!嘘、いいの?!」


食いついたーーーーーーーーっ!!!


やっぱり不思議ちゃんだ、藤浦さん。


フツー嫌だろ、男の食いかけ感満載のおにぎり。
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