ビジネスおネエの長谷川君
ヒヤマケンシン、なんて名前とっくに暗記してるけど、

何なら脳内ではクラスメートな妄想までしてたけど、

そこら辺全く気にしていない風な演技まで織り混ぜて。




そして



藤浦さんが、俺の言葉を打ち消す台詞を口にすることを全身で期待して。



……沈黙。


なんだなんだ、どうした?


え、早口過ぎて聞き取れなかったとか?


あり得る。


藤浦さんなら、大いにあり得る。


あまりの沈黙に、恐る恐る藤浦さんの様子を伺う。


「あーーー…………」


どうやら、聞き取れないくらい小さな声で「あー」と言っているみたい。
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