ビジネスおネエの長谷川君
やっさんとゆりあは、そのクリスマスディナーコースのメニューをよく話し合っている。


そのため試作品が続々とまかないに登場し、俺は、クリスマスなんて関わりたくもないのに、妙に非日常的な、イベント感のある豪華な食べ物を口にしている。


あの、失恋ダッシュで、俺は、きっとふっ切れた。


きっと、多分、完全に。



露骨に好意を寄せられることはあっても、露骨にのろけられたことなんてない。


きつかった。


どんなに平静を装うにしても、限度ってもんがあるんだと知った。



いくら俺が好きだと言ったって。


10年前の淡い想いが、本物になったと言ったって。


そんなもの、相手に届かないのなら意味がない。
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