ビジネスおネエの長谷川君
フンフンフーーーーン♪……と、ご機嫌なゆりあの鼻唄が遠ざかっていく。


いいご身分だな、と心の中で毒づくも、実際にゆりあは″いいご身分″な事を思い出し、気持ちがシラケる。


俺を“おネエキャラ”として売り出し(?)たのは、ゆりあで。


発端は再会時の俺のただの冗談だったんだけど、それがえらく気に入ったらしく……。


結果、うまくいっているので文句を言うつもりはない。


いつまで″おネエキャラ″を貫くのかは、未定。


でも、おネエキャラでいくと急に女の子と距離が縮まるのは不思議だ。


イケメンなだけだと、自信家ばかりが声をかけてきがちだけど、おネエキャラは割りとおとなしいタイプの子も心を開いてくれる。



女装癖もないし、恋愛対象は女の子だし、口調が違うだけなのに……。
< 15 / 198 >

この作品をシェア

pagetop