ビジネスおネエの長谷川君
「藤浦さん、悲しむんじゃないんですか?」


のらりくらりタイプには、直接言ってやるしかない。


……これが正しいかは分からない。


藤浦さんに頼まれたわけでもなんでもないし。


だけど、黙っていられなくて。


オオカミ男が、俺を見上げる。


「茉希、友達なんだよね?言ってやってくれませんか?俺は、誰とも付き合わないって」


…………は???


駄目だ、意味がわかんねぇ。


誰とも付き合わないって、なんだよそれ。


何の言葉も発さない俺に構わず、オオカミ男は続ける。


「一番困るんだよね。告りもしないで、じわじわと好意を寄せ続けるタイプって。

ハルさんもモテそうだし、日々大変じゃないですか?

バシッと告ってくればハッキリふれるのに」
< 165 / 198 >

この作品をシェア

pagetop