ビジネスおネエの長谷川君
こんな最低なやつのこと、なんで好きなんだよ藤浦さん。


あんなに嬉しそうにのろけちゃって。


だって最低だよ、こいつ。


浮気の方がまだかわいげがあった。


藤浦さんへの気持ちもあるわけだから。



……藤浦さんが幸せならそれでいいって思ったのに。



藤浦さんを幸せにしてくれるなら、仕方ないって思えるのに。





気がつくと俺は、


「ふざけんな、誰かを幸せにしてから出直せーーっ」


俺の横をすり抜けて、お会計を済ませたオオカミ男の背中に向かって

″オトコ″の声で叫んでいた。


店内には勿論、お客さんがいて。


そんな中、オオカミ男は振り返って飄々と


「了解っ」


と言い放ち、出ていった。




………………ヤバい。俺、クビですか???
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