ビジネスおネエの長谷川君
なんで、藤浦さんは、初めましてなんて言ったんだろう……。


ヤバい。何だか深く傷ついている俺。


掛け布団をぎゅっと抱き締め、昔ちょっと気になってた子に再会して素っ気ない態度を取られたくらいで、こんな状態になっちゃう俺。


モテモテだった実績?が、まるで幻だったように感じられる。


はぁーーーーーーーーーーーーーーあ。


目を閉じると、今日見た藤浦さんと高校時代の姿が重なる。


あれは、4月の頃。


3年間、同じクラスだったから、いつの4月かは覚えてない。


いつも4月は俺の後ろの席は、決まって藤浦さんなんだ。


『は』と、『ふ』だったから。


そして、大抵廊下側から『あ』だから、俺達の列は一番窓際で。


窓からは校庭の桜の木がよく見えるんだ。


< 36 / 198 >

この作品をシェア

pagetop