ビジネスおネエの長谷川君
綺麗な短編映画を観ているような。


もしくは、見てはいけないものを見てしまったような。


俺は、急にドキドキしてしまって。


地味な顔なのに、意外と長いまつげのせいなのか。


綺麗な白い肌のせいなのか。


桜の花びらと同じくらいピンク色の頬のせいなのか。



窓から入る柔らかい陽の光と。


遠くに聞こえる先生のよくわからない古文を読み上げる声と。


全部が合わさって、俺は泣きそうになった。


守ってあげたい、と唐突に思った。


あまりにも鮮明に浮かぶ映像と、出来すぎた空気感なので、俺の中で捏造された記憶かもしれない。
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