ビジネスおネエの長谷川君
俺とゆりあの関係は、その後、特に発展する事は無かった。


たまに大学構内で顔を合わせれば軽く挨拶をする程度で。


お互いに、歩み寄る理由も特になく……。


ゆりあが卒業してからは、完全に俺の思考回路に絡んで来ることはなかった。



思い出すとすれば、あの一夜のことを、


『若い頃はそんな事もあったね』


と振り返るくらいの。



そんな、ゆりあと再会したのは、またしても居酒屋だった。


ただし、学生御用達の、うすーーーーい酎ハイを出し、
やたらとボリューミーなおつまみが並ぶ居酒屋ではなく、

大きな水槽の中の魚を刺身にしてもらえたり

どの席も半個室になっていたり


ちょっと落ち着いた雰囲気のお店だった。
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