ビジネスおネエの長谷川君
やっさんの彼女……出来た子だなぁ。


正直、その若さで、そんなしっかりした相手ときちんと付き合っているやっさんが羨ましい。


「……なんか、すげーな」


「おっかないっスよね」


違う意味での″すげー″だったけど、教えてやらない。


生ビールのおともに、運ばれてきたぬか漬けを食べる。


今はぬか漬けも工業製品ですもんねー、なんて世知辛い話をしながら、すっかりやっさんはしらふのようだった。


いいなぁ、きちんと、叱ってくれる彼女。


確かにもてもてだった俺だけど、そんな風に向き合ってくれた子って今までいたかな?


なーんて、考えながらぽりぽりとぬか漬けを食べた。


きゅうりも、かぶも、人参も、茄子も、いい味だった。
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