ビジネスおネエの長谷川君
で、結局、藤浦さんには俺がおネエだ、と誤解されたまんま解散してしまったのだ。


『まだ暫くおネエキャラでいた方が、藤浦さんの警戒心に有効だ』


という打算が、働いて。


帰り道、藤浦さんが俺の手に何かを握らせた。


一瞬、手をつないできたのかと思って、心臓が飛び出るかと思ったシャイボーイ世界選手権ミドル級の俺。


そっと開いた手には、ワックスペーパーに包まれたお菓子。


「これね、美味しいの。キャラメルナッツチョコレート!」


嬉しそうに藤浦さんが言う。


『男子』である俺には、聞くからに甘そうでこってりしてそうでウヘェとなる代物で。

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