クールな彼の溺愛注意報
「無理だって。葵衣、もう成長期は終わってるでしょ」
「っていうか、二宮くんもじゅうぶん高いと思うよ?」
笑って言ったけど、コップに口をつけた二宮くんはやっぱり不機嫌そうだ。
柊木くんより身長が低いのがそんなに悔しいことなのかなぁ。
でも、あたしから見たら二宮くんだって高身長だもん。
これはフォローというよりは一般論だよね。
「ちなみに。羽山さんは何センチ?」
「あたし? あたしは164センチだよ」
「てことは、葵衣とは12センチ差か~」
そうつぶやいて、突然くすくすと笑い出した柊木くん。
不思議に思っていると、柊木くんは人差し指を立てて、
「知ってる? キスにちょうどいい身長差って12センチなんだって」
語尾に音符でもつきそうな口調で、そんなことを教えてくれた。