クールな彼の溺愛注意報
「二宮くん、玄関まで送らないの?」
「……送らない」
つんけんとした態度で、「ごちそうさま」とからになったおさらを持つ二宮くん。
「いいよ、羽山さん。あいつツンデレだから」
柊木くんは薄手の上着を羽織り、二宮くんに聞こえないよう小声で笑う。
ちゃんと理解があるんだ。
ツンデレってことは、もしかして柊木くんにデレたことあるの?
……うわ、すっごく気になる。
キッチンにかくれてしまった二宮くんを振り返ったあと、あたしは柊木くんを玄関まで送った。
「……あ。そうだ、二宮くんのクラスでのようす聞こうと思ってたんだった」
「クラスでのようす? それなら明日にでもたしかめられるんじゃないの?」
玄関で靴を履く柊木くんは、意味ありげに含み笑いした。
え?と思ったけれど、すぐにその理由に見当がつく。