クールな彼の溺愛注意報




よかった。

ちゃんと受け取ってくれた。



ほっとしていると、片方のイヤフォンをはずす二宮くんとばちっと目があった。


あたしは笑って、首をかしげる。




「なに聴いてるの?」


「洋楽。こいつが聴けってうるさいから」


「へ~。柊木くんって洋楽、好きなんだ……」




そう言いながら柊木くんに視線を移すと、あたしたちを見て少し顔を引きつらせていた。



はじめはどうしたんだろう、と不思議に思って。


次にとなりで目をしばたかせているみゆきを見て、



……しまったと思った。




「紫乃ちゃんが女嫌いの王子さまとお話してる……」


「ち、ちがう! いやちがわないけど! え、えっと……!」



 
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