クールな彼の溺愛注意報




「あっ、は、はいっ……」


「あはは。なんで敬語? 同い年なんだからためぐちでいいよ」




やわらかく笑いかける柊木くんに、耳まで真っ赤になってるみゆき。


それに気づいているはずの柊木くんは、体を起こしてあたしに視線をやった。



そして、おどろく。




「羽山さん? ……顔、赤いよ?」


「い、いや、そんなこと……」




うつむくあたしの弱い声に、柊木くんは小さく笑った。



まるで、わかったみたいに。

……あたしが赤くなっている理由が、さっきの二宮くんの言動にあるってこと。




「ふたり見てるとほんとおもしろいなぁ。
じゃあね。小川さん、これありがとう」




口元に手を当ててくすくすと笑いながら、柊木くんは教室に入っていった。



 
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