クールな彼の溺愛注意報
や……やばい。どうしよう。
全然、顔の熱がひいてくれないよ。
でもきっと、あたしよりもみゆきのほうが何倍も赤いと思う。
さっきからかたまっているみゆきを見て、あたしは平然さを取りもどした。
……どきどきしてるのは、まだおさまらないんだけど。
「みゆき、大丈夫?」
「し、紫乃ちゃん。どうしようっ」
声をかけると、ばっと顔をあげてあたしを見上げるみゆき。
真っ赤なみゆきは、瞳をうるうるさせていて。
「わ、私、柊木くんのこと好きになっちゃったかもしれない……っ」
あたしのブラウスのすそをぎゅっとつかみ、みゆきは小さな声で言った。
本人は恋心を自覚していなかったらしい。
あたしから見れば、みゆきは昨日、すでに恋に落ちてたんだけどね。